講習会名:運動器超音波観察セミナー

タイトル:中級編

日  時:平成28年10月16日(日)10:00~13:00

場  所:全国柔整鍼灸協同組合 東北事務所

参加者数:中級編4名

講  師:筋・骨格画像研究会 専属講師

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【筋骨格系に対する超音波画像・中級編(上肢)及び[超音波異常所見編]】
初めに、肩関節アプローチ前方走査。「肩関節水平断面」をMRI画像で確認した後、エコー機器の走査方法(短軸・長軸)及び観察のポイントの説明がありました。

続いて肩関節アプローチ後方走査では、主に「変形性関節症・脱臼時に生じる損傷・投球障害の原因となる骨棘」について、観え方と観察のポイント、また肩鎖関節・鎖骨の観察として、肩鎖関節脱臼の「健側」と「患側」の画像を比較し「患側」の肩鎖関節間の著明な拡大を画像で確認しました。
 肘関節アプローチ前方走査では「肘関節外側矢状断」のMRI画像とエコー画像「腕橈関節長軸像」の比較を行いました。

その後、肘関節を観察する上での注意事項とポイントの説明があり、実際の症状(外側野球肘・上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(初期・進行期・終末期)・関節水腫・関節血腫・肘内障)の観え方の解説がありました。

さらに肘関節アプローチ内側・外側で、内側側副靱帯損傷の成人と小児の画像の比較が行われ、エコー画像の年齢の違いによる観え方の違いを学びました。
続いて手関節アプローチ背側走査では、60代女性の橈骨遠位端若木骨折の実例を挙げた観察方法の他、手根管症候群の観察のポイント、また尺骨手根複合体では「TFCC損傷の観察方法」として、前腕の回旋運動での疼痛確認方法及びプローブ走査を学びました。

【筋骨格系に対する超音波画像 中級編(下肢)[超音波異常所見編]】
股関節アプローチでは、ランドマーク(目印)、大腿骨頭、大腿動脈、臼蓋と共に、大腿骨頭頸部長軸・短軸走査での観察方法と、股関節内血腫、変形性股関節症、下前腸骨棘裂離骨折についてエコー画像で確認を行いました。

次に膝関節アプローチ。ランドマークである、膝蓋骨、脛骨粗面と共に、膝蓋靱帯の観察方法の解説がありました。

また、分裂膝蓋骨・シンディンラーセンヨハンソン病・ジャンパー膝・膝蓋骨下端骨端症等の症例画像で観察の方法を学びました。

さらに、膝関節内側面・鵞足・膝関節外側面・膝関節後面についても観察の方法とポイントの説明がありました。
最後に、足関節アプローチ。「足関節前額断面・水平断面」を画像で確認した後、前距腓靭帯の抽出方法としてプローブのあて方と走査方法を学びました。

実際の症例では、前距腓靭帯損傷・腓骨遠位端骨折・三角靭帯損傷・シンスプリントの観察を画像で確認し、アキレス腱部・中足骨の観察では、アキレス腱断裂像と中足骨骨折の観察のポイントを学びました。
実技では、受講者が二人一組のグループになり互いの身体をエコーで観察し、テキストのような画像になるかを試しました。

真剣に観察をする受講者に対し、講師より「腱の画像で、腱が太く観える場合は頑丈そうに思えるが、実際には腱が細く観える人より切れやすい」等の分かりやすい補足説明がありました。

ひとつのグループでは脱臼経験者がおり、脱臼をしたことの無い受講者とエコー画像の比較を行っている姿が見られました。

受講者は座学で学んだことを実際の画像で観ることができ、エコー装置の鮮明さと実用性を実感している様子でした。