講習会名:運動器超音波観察セミナー
タイトル:入門編
日 時:平成28年6月26日(日)13:00~16:00
場 所:全国柔整鍼灸協同組合 福岡事務所
参加者数:8名
講 師:筋・骨格画像研究会 専属講師
入門編では、プローブを体に当てることによって画像を映し出すことができる、超音波画像観察装置とはどのような機器なのかについて紹介がありました。解剖の知識も大事だが画像に慣れることも大事と説明されました。
次に、どのような画像が撮れるのかとのことで、描出した画像(アキレス腱・膝のオスグット)の紹介がありました。
その後、なぜ超音波観察が有用なのかについて説明がありました。見落としやすい疾患の初期判定(捻挫と骨折の判定)、他の画像判断(レントゲンなど)と比べ、軟部組織損傷に対して特に有意性がある、徒手検査だけでなく画像による確定判断、見落としがちな腫?疾患の回避、判断能力の向上と他院との差別化(信用・信頼の構築)、定期観察による通院率の上昇など説明がありました。
また、長所として、リアルタイムに観察できる、X線と違い撮影時の侵襲性(被爆)がない、繰り返し何度でも観察できる、初期損傷の判断に適している、見落としに繋がる疾患の判断に有用である、小児の骨端軟骨板の観察ができる、判断能力が飛躍的に向上するなどの紹介がありました。
続いて、超音波の仕組みについて説明があり、生体内部の断層画像を映し出すために、音波(パルス波)を生体内へ送信し生体組織の境界面で反射して戻ってくるエコー信号を受信し、画像に変換するとのこと。プローブの種類については、リニア・コンベックス・セクタの特徴について紹介がありました。そして、描出画像におけるエコー域(低エコー・高エコー・無エコー)について、症例画像を元に説明がありました。
機器を使用する時に初心者が陥りがちなポイントについての紹介もあり、走査上の基礎として位置関係の確認、Land Mark(目印)の設定、プローブの角度について説明がありました。
その後、実技講習(肘、肩)が行われました。プローブの使い方(持ち方・角度)から始まり、操作方法、描出した画像の説明の実技講習でした。それから、座学に戻り「長軸走査(縦に映す操作)と短軸走査(輪切りにした状態)」の特徴・症例画像を見ながら説明があり、大腿部中央全面の長軸・短軸走査での実技が行われました。最後に、症例画像(アキレス腱断裂、鎖骨骨折、弾発指(母指)、変形性股関節症)の紹介と経過画像の説明があり、講習会が終了しました。
受講者の何名かは超音波画像観察装置を購入・検討中だが、使い方がほとんどわからない、使ったことがないとのことで、新しい技術を身につけようと、講義資料に講師の説明を細かく書き込むほど熱心に取り組んでいました。
今回の講習会では、超音波画像観察装置を2台体制で開催しました。その結果、受講者全員が機器に触れることができ、目的箇所の画像を抽出することができたことで、喜びの声もありました。
実技については画像描出に苦戦していました。実技中「難しくて画像が出せない」という声がありましたが講師のアドバイスもあり、全員が画像の抽出に成功し満足感(笑顔)が感じとれました。
「どのように画像が映し出されるかを確認することができてよかった」、「全く知識のない状態でしたがとても分かりやすく指導していただけました」という声をいただきました。